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次世代技術の芽と新しい物理をつくる

早稲田大学 理工学術院 先進理工学部 物理学科・応用物理学科

教員の紹介

「自然の造形」に対する 物理からのアプローチ

非平衡系の物理

[English]

山崎 義弘 [教授] dummy_photo
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homepage https://y2003.notion.site/
専門分野 物性理論
研究テーマ・研究活動
○パターン形成の物理
○粘着の物理
○相転移・相分離におけるドメイン構造の成長
○水-粉体混合系の乾燥で生じる迷路状パターン形成
●日本物理学会
●日本レオロジー学会

私たちの身の回りには、「自然の造形物」が満ちあふれています。たとえば、桜の木の枝ぶり、雪の結晶、夜空の星雲、ガラスのひび割れ、細菌のコロニーなど。さらに群れを成して鳥や魚が飛行したり泳いだりしている様も、群れの集団をひとつの形として捉えれば、やはり自然の造形として考えることができるでしょう。これら自然の造形物は一見すると複雑で、多様な印象を受けるかもしれません。私たちは、多様で複雑に見える自然の造形に対して、構成要素の詳細によらないで、「パターン」として捉えることで、個別の現象に共通の形成メカニズムを浮かび上がらせることを目標に研究を行っています。
実際、私たちは古くから「パターン」という再現性のある視覚的な情報による自然からのメッセージに感銘を受け、また利用してきました。具体的な例をひとつ挙げれば、フラクトグラフィという分野では材料が破壊したときに生じた破断面をパターンとして分析し、破壊した時に材料に働いた力を推測する事が行われ、 工業的にも利用されています。物理学の分野では非平衡散逸系、非線形動力学などで代表されるテーマとしてここ数十年来、活発に研究が行われ、特に化学反応系や熱対流で観られるパターンが指導的な役割を果たし、界面ダイナミクスや位相ダイナミクスといった縮約法が開発、整備されてきました。さらに最近は計算機、測定機器の向上に伴い、パターンの形成過程をリアルタイムに観察し記録し、シミュレーションと定量的に比較する事が簡単になってきました。
「パターン形成の物理」は自然を理解するための強力な枠組みであり、今後さらに発展していくであろうと確信しています。また、研究対象が物理系にとどまらず、化学系・生物系など広範に渡っている点や、現象の捉え方は必ずしも物理学の既存分野には収まらないかも知れません。私たちは、絶えず変化していく自然の造形に、物理学からアプローチして、地道な研究を重ねることによって学問分野として確立させていきたいと考えています。
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左: 立方晶-正方晶構造相転移で観られるドメイン構造(シミュレーション結果)
中: 水-粉体系の乾燥により形成される迷路パターン(実験結果)
右: 粘着テープの剥離パターン(実験結果)

Yoshihiro Yamazaki [Professor] dummy_photo
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homepage https://y2003.notion.site/
research field TBA
research keywords
 TBA
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Research Profiles (at Faculty of Science and Engineering)Research Profiles (Elsevier SciVal Experts)

English

TBA

量子力学の不思議に迫り それを活用するアイデアを創出する

量子相関物理

[English]

湯浅 一哉 [教授] dummy_photo
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homepage http://www.f.waseda.jp/yuasa/
専門分野 量子物理学・量子情報
研究テーマ・研究活動
○量子物理学
○量子情報
●日本物理学会

自然界の最も基本的な物理法則は,量子論の言葉で書かれるものと考えられています.その量子論は,「波動・粒子の二重性」,「重ね合わせの原理」,「不確定性原理」,「トンネル現象」,「波動関数の収縮」,「非局所性」といった数々のキーワードに象徴されるように,私たちの日常的な感覚に基づく理解をはるかに超える自然観を提示しています.そんな奇妙とも言える量子論の上にこの豊かな自然が存在し,私達が日常生活を送っていると思うと,なんとも不思議なものです.
量子論の不思議な世界は,分子や原子,それを構成する原子核や電子が見えるミクロのスケールまでズームインしていくとそこに広がっています.近年,そんなミクロ,ナノのスケールで単一の光子,電子,原子を制御し観測する技術が飛躍的に向上し,量子論の世界で起こる不思議な現象を,量子力学の教科書で語られてきたような設定で実験して,詳細に検証できるようになりました.思考実験ではなく,実際に実験できるようになったのです.それにともない,量子論の基礎を追究する研究がますます盛んに進められています.そして,ミクロからメゾ,マクロのスケールに向かって,どこまで大きなスケールで量子力学的効果が見られるかという関心も高まっています.

 

研究内容ダミー1
さらに,「量子コンピューター」,「量子暗号」,「量子通信」をはじめ,量子論の世界の不思議を積極的に活用することで従来の情報処理の限界を超えようとする「量子情報」など,「量子技術」の様々なアイデアが出現し,精力的に研究が進められています.キーワードは「エンタングルメント」です.それは,アインシュタインが受け入れることができなかった「量子論の非局所性」という,古典的な考え方では決して説明することができない量子の最たる世界を見せてくれる特異的な量子相関のことです.それをうまく利用すると,古典的な技術を超えられる可能性があるのです.
私達の研究室では,この「量子相関」をキーワードに,量子論の基礎的諸問題の考察,ミクロスケールからメゾスケールにわたって発現する量子力学的効果の追究,及び,量子相関・エンタングルメントを積極的に活用する量子情報・量子技術に関わる物理の理論的研究を行っています.日常の常識を超えた世界ですから,研究も常識にとらわれていてはいけ
ません.皆さんも独自のアイデアで奥深い量子力学の世界を
探究しませんか?

 

 

Kazuya Yuasa [Professor] dummy_photo
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homepage http://www.f.waseda.jp/yuasa/
research field  
research keywords
 
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Research Profiles (at Faculty of Science and Engineering)

Research Profiles (Elsevier SciVal Experts)

English

in preparation

加速器実験で探る素粒子物理学の最前線

素粒子実験

[English]

寄田 浩平 [教授]
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homepage http://www2.kylab.sci.waseda.ac.jp/
専門分野 素粒子実験物理学
研究テーマ・研究活動
LHC/ATLAS実験におけるヒッグス粒子解析、新粒子・新現象探索
宇宙暗黒物質探索
次世代実験へ向けての検出器開発
●日本物理学会
●アメリカ物理学会

我々のグループの究極目標は『物質の根源、究極粒子とは何か?』と『そこに働く物理法則は?』という極めて素朴で本質的な疑問を実験的に解明し、科学の言葉で理解することです。クォーク、レプトンとゲージ粒子で素粒子の世界を記述するモデルを一般に素粒子の「標準理論」と呼びます。この標準理論は非常に整合性のある有効な理論体系であり、実際これまでの様々な実験データを見事に説明してきました。しかし一方で、まだまだわからないことだらけの分野、不完全な有効理論であるということも事実です。たとえば、暗黒物質、階層性の問題や力の統一などの究極的な疑問に、まだ完全に答えることができていません。こういった究極の問題を解くために世界中の実験物理学者は長きにわたり、より高エネルギー状態を生成しうる加速器の建設に挑戦してきました。なぜなら、素粒子の現象はこういった高エネルギーで現れるからです。E=Mc2 からもわかるとおり、「より高いエネルギー」は「より重い粒子を生成」することができます。また一方、「より高いエネルギー」は「より初期の宇宙の状態を人工的につくっている」ともいえるのです。

 

研究内容ダミー1具体的には、現代のエネルギーフロンティア実験であるLHC実験(スイス:円周27km、13~14TeVの加速器、図参照)に参加し、素粒子の生成や質量などの精密測定による理論の検証や全く新しい粒子、新しい現象の発見に力を注いでいます。特に、2012年にLHC実験で発見した「ヒッグス粒子」の詳細研究が重要な課題の一つです。ヒッグス粒子の研究は、素粒子の質量起源、電弱対称性の破れ、真空の構造の解明につながるだけでなく、全く新しい現象のプローブとなる可能性が高いからです。また、標準理論を超えた新現象、「超対称性粒子の発見」や「余剰次元現象」、「暗黒物質生成過程」等のの新現象直接探索も行っています。このような最前線の研究において、我々のグループも世界中の研究者と協力、時には競い合いながら、その役割を責任をもって推進しています。一方、大規模実験ではなく、自分たちで高感度検出器を開発・構築し、地下施設に持ち込み、地球を通過する暗黒物質を捉える実験も並行して進めています。これらは二つは、大小様々、異なるアプローチですが、目的は共通です。さらに先へ、次世代の新しい実験構想や検出器の開発にも積極的に携わり、素粒子物理学と宇宙物理学における新しい扉を実験に開くことを目標におき日々研究に励んでいます。

 

 

Kohei Yorita [Professor]
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homepage http://www2.kylab.sci.waseda.ac.jp/
research field Experimental Particle Physics
research keywords
LHC/ATLAS/CERN, Higgs Boson,
Supersymmetry, Dark Matter Search,
Detector R&D
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Research Profiles (at Faculty of Science and Engineering)

Research Profiles (Elsevier SciVal Experts)

The start of a new resolution in particle physics

What is the Universe made of And by what laws?
– Joining the world’s highest energy accelerator-based experiments, LHC, gives Waseda University a core role in the new revolution in particle physics to emerge in the near future.

The Standard Model (SM) of elementary particle physics (a gauge theory of electroweak and strong interactions) has so far fared well against experimental data, possibly creating the impression that it can resolve all problems. In fact, it is merely an effective theory at certain energy scales. We are still unable to clearly answer the simple questions: What is the Universe made of ?, What is ultimate unification of the forces ?, What is the Dark Matter, said to account for 25% of the universe’s mass ? e.t.c.

研究内容ダミー1To answer these questions, we first need to investigate newly discovered particle, called the Higgs boson in more details and of course look for physics beyond the SM. As an experimental approach, the world’s highest energy accelerator experiment is carried out at CERN’s LHC (proton-proton collider operating at center-of-mass energies of 13-14TeV) in Europe. The detailed studies for the Higgs boson is possible only there. Waseda University has joined the ATLAS/LHC experiment, in which the Higgs boson was discovered in 2012, and has continuously provided high-level results in a variety of physics. The LHC is the focus of larger expectations. Namely finding the new phenomena beyond the SM is the primary goal of the LHC. For example, the supersymmetry particle (SUSY) may be found and/or new phenomena related to extra dimensions may emerge. Also one of SUSY particles could be a candidate for dark matter. The Japanese group has made significant contributions to the LHC/ATLAS project. And my laboratory, currently only the experimental high energy group from Waseda University has also been heavily involved in and working on the ATLAS as a member of this large-scale international experimental project to look for new physics beyond the SM.

On the other hand, we have developed new high-sensitive detector to search for the dark matter in the Universe, passing through the earth. This is so called “underground-experiment”, not the accelerator based experiment like LHC. The approaches/technologies are completely different, but goal is the same, hunting for the Dark Matter, searching for any physics beyond the SM and even unexpected physical laws that govern the universe.

Furthermore we continue to move ahead, marshalling a critical intellectual curiosity, to search for the truth. New discoveries create new mysteries. This profound world is as limitless as the curiosity and ceaseless efforts of we human beings.

 

量子力学の世界を触って調べる

低温量子物性

[English]

松田 梓 [教授] dummy_photo
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homepage http://www.ltlab.phys.waseda.ac.jp/
専門分野 物性物理学
研究テーマ・研究活動
○高温超伝導体の不均一状態の研究
○強相関物質の低温電子状態の研究
○ナノスケール量子状態の研究
●日本物理学会
●応用物理学会
●アメリカ物理学会

固体は原子や分子が規則正しく並んだ状態だというのは、概念としては広く受け入れられている事実だと思います。それを実際に観測しようとすると、大がかりな電子顕微鏡を使わなければなりませんでした。しかし、最近、物質の凹凸を”触って”調べる走査プローブ技術が急速に発達し、物質表面の凹凸が原子の大きさのレベルで簡単に”見”えるようになりました。こうして、固体の構造については、目で見たような情報が得られるようになったのですが、固体が示す色々な性質(物性)は、構造だけでは決まりません。これらの多くは固体内に広がる電子の振る舞いが決定するためです。幸いな事に、走査トンネル顕微鏡(STM)は、この電子の振る舞いの様子を目で見たように”見”る事ができます。

 

研究内容ダミー1
我々は、多彩な固体電子の様子が最もはっきり現れる極低温下で使えるSTMの開発を長く続けてきました。そしてそれを武器に、高温超伝導体の超伝導の性質を調べています。図は、表面に見える格子の様子と、同じ所で測った超伝導の強さを表す量を並べて示しました。格子構造は平坦なのに、驚くべき事に電子は不均一な局所構造を取る事がわかります。
STMで見る原子は、10-7 cmという小さな領域に収まっていますが、そこで電子が引き起こす現象は多彩で、その意味では無限の広がりを持っているのです。我々は、それらを目の当たりに”見”ようと努力をしています。

 

 

Azusa Matsuda [Professor] dummy_photo
e-mail
homepage http://www.ltlab.phys.waseda.ac.jp/
research field  
research keywords
 
link

Research Profiles (at Faculty of Science and Engineering)

Research Profiles (Elsevier SciVal Experts)

English

in preparation

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