PROFILE
氏名:佐竹 李斗 さん
学生区分:学部生
学科:応用物理学科
インタビュー年:2025年度
強化学習で高精度なロボット制御に取り組む

QUESTION 1
今の進路や研究を選んだきっかけは?
私は、現在、強化学習アルゴリズムを実ロボットの制御へ応用することで、人間の介入を最小限に抑えつつ高精度な動作を実現する研究に取り組んでいます。
高校時代、身の回りの何気ない現象が物理学の理論によって精緻に説明されることに、理論的美しさを感じました。そのため、大学ではより厳密かつ詳細に物理学を学びたいと考えて、この学科を選びました。大学では純粋理論だけでなく、光学や半導体領域、制御理論といった多様な応用領域に触れました。こういった中で、次第に物理学を実世界で活かすことへ興味が移っていきました。中でも、複雑なダイナミクスを制御しながらロボットを自律的に動かすロボット制御の分野に強い関心を抱き、この分野に関連した研究ができたらいいなと思うようになりました。そして、プログラミング演習の授業を通して機械学習に出会ったことが、私の今の研究テーマを決定づけました。
QUESTION 2
現在の研究の面白いところは?
私が最も魅力的を感じるのは、自ら設計・製作したロボットが、強化学習を通して自律的に課題を学習し、成長していく過程です。ハードウェアとソフトウェアを一体化させ、「手を動かして作る楽しさ」と「学習アルゴリズムがロボットの挙動を獲得する驚き」が同時に味わえる点に大きな面白さを感じています。
QUESTION 3
研究環境についてどう思いますか?
所属研究室は、研究を推進するための恵まれた環境が整っていると思います。担当教授のご尽力により、研究費が潤沢に確保されており、実験装置や消耗品など、必要なリソースはほとんど不足することがありません。
また、上下関係が緩やかで、研究室内は非常にフラットな雰囲気です。最下級生である私(B4)も気兼ねなく意見を述べられ、疑問点やアイデアを随時相談できるため、主体的に研究に取り組めています。同期とのコミュニケーションも活発で、互いに刺激し合いながら切磋琢磨できる点も大きな魅力です。所属研究室は新しい挑戦や実験にも安心して踏み出せる、私にとって理想的な研究環境です。
QUESTION 4
将来のビジョンはありますか?
大学卒業後は修士課程に進学し、所属研究室での学びをさらに深めたいと考えています。その後の進路については、博士課程への進学か就職かを現在検討中ですが、いずれの場合においても、本研究室で培った知識と経験を活かせる道を選ぶつもりです。
QUESTION 5
後輩へのメッセージをお願いします
物理学は奥深く、難しく感じることも多いかもしれません。しかし、現象に理論で説明を与えられたときの感動は何物にも代えがたい魅力があります。疑問を持ったら躊躇せずに教員や先輩に相談し、自分の理解を深めることを恐れないでください。
研究室では、自ら手を動かして機械を組み立てたり、プログラムを書いたりすることで、新しい発見と達成感を味わえます。小さな成功体験を積み重ねることが、次の挑戦への原動力になります。失敗を恐れず、好奇心を原点に、一歩ずつ着実に前進していってください。
皆さんの新しい視点やアイデアが、未来を切り拓いていく原動力になることを心から願っています。
