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分子・原子・原子核などのミクロスコピックなスケールから,マクロスコピックなスケールに及ぶ物質の構造や諸性質の解明を一貫して行うのが物性物理学である。特に物性理論は,ミクロ,マクロあるいはメゾスケールにわたる典型的な現象の発見と解明,さらにそれに伴う新たな普遍的理論の開拓を進める。そのために,物性現象全般に対する深い理解とともに,量子力学,統計力学さらに近年飛躍的に進歩した数理物理学的手法の修得は欠かせない。また,大規模なコンピューターシミュレーションによって進められる研究は,既存の物質で起きる新しい物性や未知の法則の予言を可能にしつつある。学習面では,個別の研究対象を超えて,物質世界の一般的法則の理解に至る理論的手法を広く学ぶところに目標がある。
部門メンバーによる具体的なテーマは,
(1)多粒子系の集団運動や粘弾性物質の変形など,物理・化学・生物系で観られるパターン形成に対する実験的および理論的研究
(2)カオス,工ルゴード性のメカニズム,非線形,非平衡系の統計物理学および理論生物物理学上の諸問題の研究
(3)超伝導・超流動・電荷密度波等の低温多体現象やトンネル効果の理論的研究
(4)ミクロスケールからメゾンスケールにわたって発現する量子力学的効果の追究および量子相関・エンタングルメントを積極的に活用する量子情報・量子技術に関わる物理の研究
(5)量子や波動を舞台とした非線形物理学の理論研究および
(6)磁性体,強誘電体,強相関電子系における創発物性現象およびデバイス機能の理論研究